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【インボイス制度と通勤手当】通勤手当の処理と実額精算の取扱の違い


通勤手当で処理した場合

インボイス制度では原則的に

インボイス発行事業者同士の

取引だけで仕入税額控除の

適用を行うことになります。

 

しかし、一般的に会社の従業員は

インボイス発行事業者になりません。

 

従業員に通勤手当として

支給している場合には

 

インボイス制度前と後で取り扱いに

変更はありません。

 

インボイス制度後であっても

通勤通常必要と認められる

部分の金額については

 

会社は仕入税額控除の適用を

受けることができます。

 

通勤に通常必要と認められるもの

は通勤手当として非課税になる

金額の範囲という意味ではなく

 

非課税を超える金額であっても

通勤に通常必要と認められる

ということであればよいことになります。

 

言い換えると非課税を超えて

給与になる金額になったとしても

仕入税額控除の適用があります。

 

ただし仕入税額控除の適用を

受ける場合には帳簿の保存が

必要になるため一定の事項を

帳簿に記載します。

 

①課税仕入の相手方の氏名又は名称及び住所又は所在地

②課税仕入を行った年月日

③課税仕入に係る資産又は役務の内容

④課税仕入に係る支払対価の額

⑤帳簿のみの保存で仕入額控除が認められるいずれかの仕入に該当する旨

実務上としては帳簿には

②③④が記載されるため

 

賃金台帳などの他の資料と

帳簿の保存によって

 

仕入税額控除の適用の要件を

満たすことになると考えます。

 

 

実額経費で処理した場合

コロナ禍で在宅勤務が広く普及し

今後は在宅勤務と出勤で

ハイブリット勤務になることがあります。

 

会社によっては通勤手当を廃止し

出勤したときに実額経費にて

通勤の移動代を精算することが

想定されます。

 

こういった場合には一般的に

通勤では公共交通機関を使う

ことになります。

 

公共交通機関では3万円未満

であれば請求書等の保存が

不要となります。

 

しかし、上記のような一定の帳簿を

保存することで仕入税額控除の適用

を受けることになります。

 

3万円未満の判断は1回の取引の

税込価額が3万円未満であること

によって判断を行います。

 

具体的には従業員Aが通勤で

ある日に往復で550円を2回

で精算した場合には

 

出勤で550円、帰宅で550円となり

550円は3万円未満のため帳簿の

保存によって仕入税額控除の適用

を受けることになります。

 

実務上では、1か月ごとに経費

精算書が作成されて精算する

ということになると思います。

 

 

 

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