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持続化給付金を不正受給した場合の所得税の課税関係について税理士が解説!


持続化給付金を不正受給した場合の所得税の課税関係

持続化給付金を不正受給した場合には

不正な収入であっても所得税の課税対象です。

 

結論としては、事業所得又は雑所得に計上して

所得税を納付することになります。

 

こういった取扱いをする理由は

お金をもらっているので担税力(税金を納付する力)が

あるのでお支払いください!

という考えがあるからです。

 

 

 

 

刑事事件として判断されたときには後発事象にならない可能性がある

持続化給付金の不正受給では刑事事件として

扱われることになります。

 

では、刑事事件として判断されて確定した場合には

従前の所得税の還付をしてもらえるのか?

という疑問が生じます。

 

結論としては刑事事件の確定で持続化給付金の返還が

決まったとしても還付の手続はできません。

 

理由は、刑事事件の確定判決では

不正であったことが認定されるだけであり

犯罪事実の存否の範囲を確定させただけだからです。

 

ではどのようなときに還付の手続ができるのか?

ということになります。

 

これは現実にお金を返還した後に

手続を行えることになります。

 

上記のように判断することができるのは

過去に社会保険診療報酬の不正受給があり

その争いがあったためです。

 

今回の持続化給付金の不正受給の本質的には

不正受給により税金が課税され、その後に

刑事事件として取り扱われてさてどうなるか?

ということになります。

 

現実的には、持続化給付金の不正受給で所得税の

確定申告をする対象となる場合で確定申告を

しない場合には、不正受給のお金を返還するまでは

担税力があるので確定申告をするように

税務署の担当者から指導が行われる可能性があります。

 

 

 

 

持続化給付金の不正受給に関するペナルティの取扱い

持続化給付金の不正受給等への対応には

2つの金銭的なペナルティが存在しています。

 

①不正受給の日の翌日から返還の日まで、年3%の延滞金

②(持続化給付金+①)×1.2

①と②の合計額が返還する金額となります。

 

このうち、ペナルティとなる金額は

①+②-持続化給付金=ペナルティ

という計算になります。

 

では、上記ペナルティは所得税では経費になるのか?

という疑問が生じます。

 

ここからは私見になります。

私の見解では、経費になりません。

 

理由は事業遂行上で必要なお金の支出ではないからです。

要するに家事費とするのが相当なのではないかと思います。

 

事業所得と雑所得にて国税庁の公式見解を

分かりやすい言葉にすると・・・

 

①売上に対応する売上原価や売上に直接要した費用

②その年の販売費や管理費、業務上の費用

ということになります。

 

持続化給付金のペナルティは

売上のための費用ではないですし

販売費や事業の管理目的での費用でもないです。

 

また業務上で生じた費用ではなく

不正受給をしてバレたという個人的な行為で

結果としてお支払いするお金です。

 

この様に事業遂行上のお金の支払ではないので

事業所得、雑所得のどちらについても

必要経費にならないというのが私の見解となります。

 

 

 

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この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき

書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。