【令和5年分消費税の確定申告状況】国税庁の確定申告状況等から解説
インボイス制度でどうなったのか?
令和5年10月1日からインボイス
制度が始まりまして消費税の申告件数
が大きく増えています。
令和4年分と比べて91.7万件
増加したようです。
令和4年分では105.5万件でした。
納税額では令和4年と比べて
9.1%増加し6,850億円だったようです。
令和4年は6,277億円だったので
約600億円増えたことになります。
令和6年分はさらに納税額が
増えるものと考えられます。
というのは、令和5年は消費税の課税期間が
3か月だったのに対して
令和6年分の課税期間は1年分が
対象になるため必然的に納税額も
増えることになります。
インボイスは増税という側面だけが
効果を発揮したものと考えます。
2割特例がなくなった場合を考える
令和5年分では免税事業者から
インボイス発行事業者になった人は
87.5万人います。
このうち、73.4万人が2割特例を適用して
申告を行ったようです。
免税事業者からインボイス発行事業者に
なったものの2割特例の割合は84%です。
この形の消費税の負担割合を考えると
経費関係で10%の消費税がかかり
2割特例で10%×20%で2%の消費税が
追加でかかっていると考えることができます。
言い換えると12%の消費税が発生し
支払っていることになります。
いくら所得税で2割特例の消費税が
必要経費になるからと言って追加負担
が軽くはないと考えます。
今後の消費税の負担を考える
2割特例は令和8年分の消費税の
確定申告まで使うことができます。
令和9年以降に2割特例がなくなった
と仮定すると簡易課税を使った
申告に移行していくと考えられます。
簡易課税でサービス業を前提にすると
消費税の負担割合は5%に増えます。
結果、2割特例がなくなることで
経費に対する消費税率10%になり
事業で発生した消費税が5%なので
15%の消費税を負担することになります。
適切な事業を展開していながら
消費税の負担ばかり増える世界に
なると考えますので
事業を行う場合には資金繰りに
注意を払う必要が出てくる可能性があります。
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