【国税庁公表資料】令和2年度の確定申告等状況から考える今後の申告実務を税理士が解説
令和2年度の確定申告等状況とは?
令和3年6月25日に国税庁は
「令和2年度の確定申告等状況について」
という資料を公表しました。
こちらの内容は次の通りです。
①令和2年度の確定申告状況等について
②トピックス
③所得税等の確定申告書の提出状況
④個人事業者の消費税の申告状況
⑤贈与税の申告状況
⑥自宅等でのe-Tax利用状況
⑦参考資料
詳しく確認したい場合には
にまとめられています。
令和2年分の状況の分析
令和2年度の確定申告状況等について
から今後の申告実務について考える前に
令和2年分について分析します。
自宅等でのe-Taxの利用状況を確認すると
分かりやすいです。
自宅等からe-Taxで申告書を提出した方は
所得税等で789万9千人でした。
贈与税で21万8千人でした。
上記は個人と税理士による代理送信が
含まれた数字になります。
納税者自身によるe-Taxの利用人数は
令和元年分と比較すると
令和元年分は186万人でしたが
令和2年度分は321万人に増えました。
個人でe-Taxを利用する人数が増えた
ということが分かってきます。
またスマホ申告の数も増加しています。
平成30年分は13万人
令和元年分は47万人
令和2年分は102万人
となりました。
スマホ申告の機能強化があり
パソコンでなくてもできる所得の種類が
増えたからだと思います。
確定申告会場に行く人の数は
令和元年分が381万人
令和2年分が345万人
となっていました。
つまりコロナの影響で会場での申告数が
減ったということはなかったようです。
どちらかというと申告人員は令和元年と
比べて2.1%増の2,249万人になっているので
申告する人数が増えたのだと思います。
今後の申告実務について
上記のとおりe-Taxの申告数が伸びてきている
ということがあります。
その中でスマホ申告の伸び率が
すごいと思います。
今後はスマホ申告のさらなる機能強化を
国税庁が考えることになると思います。
理由は行政コストの減少を狙っているからです。
つまり、確定申告会場に割く人員を減らして
より調査に人数を割くことができれば
調査件数を伸ばせるからです。
対して納税者からすれば申告がしやすい
状況に今後ともなる可能性が高いです。
今後マイナポータルとの連携を行って
自動的に確定申告の計算を行う機能を
持たせようとしています。
確定申告会場は今後ともなくすことは
できないと考えられます。
理由は日本が長期高齢社会になるので
IT機器を使えない層が一定程度存在する以上
対面での行政サービスは残さざるを得ないからです。
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