棚卸資産の評価方法、最終仕入原価法とは?
棚卸資産の評価方法って?
棚卸資産の評価方法とは、決算日に残った在庫の金額を
決めることです。
評価と方法に分けて考えます。
評価とは、金額を決めることです。
方法とは、その金額を決める方法論のことになります。
税法上税は、以下の評価方法があります。
個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、最終仕入原価法
売価還元法、低価法
ちなみに、税法上で法定評価方法(原則的な)は最終仕入原価法になります。
ですから、最終仕入原価法以外で評価をしたいということであれば、
届出書を税務署へ提出しなければならないことになっています。
それでは、なぜ棚卸資産の評価方法が法律できまっているのか
というと、決算日の在庫の金額を決める方法を法律で規定して
置かないと課税の公平が保てなくなるからです。
通常、法人税、所得税の事業での課税対象は、利益です。
ざっくりとした計算では、次のようになります。
売上(収入)-原価(経費)=粗利
この原価を計算するには、
期首商品の金額(前期の在庫)+当期の仕入れた金額-期末商品の金額(当期の在庫)
=原価ということになります。
税金を課税されなくないと考える人は、原価を多くしようとするので、
当然ながら、在庫の金額を少なくすれば、原価が多くなることは
誰の目を見ても明らかです。
そうなると、棚卸資産の評価方法という法律がなければ、
期末在庫の金額を極端にゼロとして申告するかもしれません。
こうなってしまうと、ちゃんと計算した人とそうでない人との
差が税金の納付の差額になってしまうので、この法律があります。
(法人税法29条、法人税法施行令28条、所得税法47条、所得税法施行令99条)
最終仕入原価法ってどうやって計算するの?
それでは、ここで、法定評価方法である最終仕入原価法は
どのように計算するのかを考えてみましょう!
最終仕入原価法の計算方法は、企業会計基準によれば、
「最終仕入原価によって期末棚卸資産の価額を算定する方法」
ということになっています。
つまり、最後に仕入れた仕入の金額の単価で在庫の金額を
計算するということです。
算式では、次のようになります。
最後に仕入れた仕入の単価×在庫数=期末商品の金額
この様に、評価と言ってもすごく楽な方法なのです。
会社として管理する必要があるのは、在庫数だけを
管理していればよいことになります。
実務上でもかなり頻繁に使われている評価方法なので
是非とも使って頂きたい方法です。
ワンポイントアドバイス!
この最終仕入原価法なのですが、税金対策に使えます。
仕入値の値動きが激しい業界、季節製品で単価が一時的に下がる商品
といったことであれば、商品の仕入値や単価が一時的に下がる時期を
決算日として設定しておくのです。
その後、決算日に安く仕入ができれば、それが最終仕入金額になるので
それに単価をかけて計算すれば、期末商品の金額を下げることができます。
そもそも、税務調査では、なぜ仕入れたのかと問われることはまれです。
現在ある法律を使って合法的に節税を行うことをお勧めします。
この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき
書かれています。法令に改正があった場合には、現在の
取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。