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一括償却資産で注意したいポイント


一括償却資産とは?

一括償却資産とは、税法上、取得価額が20万円未満の資産を

取得した場合に、3年で減価償却する償却方法です。

個人、法人、会社規模問わず適用することができます。

 

さて、それでは取得価額が20万円未満の判断で迷うのが、

消費税の税抜、税込のどちらで判断するのか?

ということになります。

 

1.税抜で判断する場合

・前提は消費税の課税事業者になっていること

・消費税の会計処理を税抜経理方式で処理していること

上記の2つを満たせば、取得価額20万円未満の判断は

税抜金額で判断することになります。

 

2.税込で判断する場合

・消費税の課税事業者、免税事業者を問わない

・消費税の課税事業者の場合、税込経理方式で処理している

上記の2つのうち、1つを満たすと取得価額20万円未満の判断は

税込金額で判断することになります。

 

(法人税法施行令133条の2、所得税法施行令139条、

消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについての

個別通達9)

 

設立時における注意点

設立時に一括償却資産となる資産を取得して、

減価償却する場合には、注意点があります。

 

実は、一括償却資産の減価償却を計算する方法とは、

以下の計算方式となっています。(法人税法上)

 

一括償却資産の金額×その事業年度の月数/36

 

となっています。

 

法人で、かつ、設立事業年度だと事業年度は

1年未満となる可能性が高いので、4年にわたって

償却をするということになります。

 

 

 

売却、除却した時の注意点

一括償却資産は、確かに、3年で償却可能です。

しかし、一括償却資産を2年目の途中で売却、除却した場合には、

売却や除却の処理はできるのでしょうか?

 

残念ながら、これはできません。

一括償却資産になると、必ず、3年で減価償却することに

なってしまうというデメリットがあることを分かっておきましょう!

 

(法人税法基本通達7-1-13、
所得税法基本通達49-40の2)

 

ワンポイントアドバイス!

実務上、一括償却資産を使うときは、取得価額が10万円以上、

20万円未満の時になります。

資産のイメージは次の通りです。

上記のうち少額減価償却資産だけが、

固定資産税の対象となりますが、一括で費用にできます。

 

一括償却資産を選択できる場合には、

固定資産税の対象となりませんが、3年で償却することになります。

 

どちらがいいかは、事業の状況に拠りますので、

一概には言えませんが、一括で費用にできる

少額減価償却資産の方がその年の税金を

少なくなることができます。

 

 

この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき

書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。