【2割特例と簡易課税】2割特例よりも納付額が少なくなる簡易課税の場合とは?
2割特例よりもの納付額が少なくなる業種
インボイス制度では
インボイス発行事業者になったため
免税事業者から課税事業者になった
事業者には2割特例があります。
2割特例は、売上に対する消費税の
2割の消費税を納付する計算方法です。
さて、消費税の計算では2割特例とは
別に簡易課税という計算もあります。
簡易課税では行っている事業により
売上に対応する消費税から控除する
支払った消費税の割合が決まっている
計算方法になります。
簡易課税で2割特例よりも消費税の
納付額が下がるのは第1種事業です。
というのは、売上に対応する消費税から
控除することができる支払った消費税は
売上に対応する消費税の90%になっています。
上記を計算式にすると
売上に対応する消費税-(売上に対応する消費税×90%)=納付額
になります。
つまり、消費税の納付額は
売上に対応する消費税の10%になり
2割特例だと売上に対応する消費税の
20%になるため、第1種事業であれば
簡易課税のほうを選択することで
消費税の納付額が2割特例よりも
下がることになります。
第1種事業の判断のポイント
では、第1種事業とは何か?
どうやって判断するのかが実務上の
ポイントになります。
第1種事業とは
卸売業
になります。
卸売業の定義は
他の者から購入した商品をその品質、計上を変更しないで
他の事業者に対して販売する事業
とされています。
また以下の場合にも第1種事業になる
ことがあります。
業務用に消費される商品の販売(業務用小売)であっても
事業者に対する販売であることが帳簿、書類等であきらか
であれば卸売業に該当することになる
こちらの具体例としては文房具を
イメージするとよいと考えます。
文房具を営んでいる事業者が
ボールペンを仕入、ある事業者にボールペンを
販売して、領収書の宛名に事業名を付して
発行した場合といった感じです。
一般的に文房具は個人へ販売している
ことが多いですが
第1種事業では商品を事業者に販売
してさえいれば卸売業になります。
結果、販売したのが事業者であれば
第1種事業になるのです。
第1種事業になるポイントは
①商品を仕入れ何も加工をしないこと
②事業者へ販売すること
になります。
簡易課税の適用するための手続き
簡易課税で計算するためには
事前に
簡易課税選択届出書
を税務署に提出していなければなりません。
原則の簡易課税制度選択届出書の
提出期限は簡易課税で計算しようと
する年又は事業年度の前年又は
前事業年度までです。
具体的に確認すると
個人事業主が令和6年から簡易課税で
計算しようと考えた場合には令和5年中に
提出する必要があり
3月決算の法人が令和6年4月1日から
始まる事業年度かから簡易課税で計算
しようと考えた場合には令和6年3月までに
提出する必要があるのです。
しかし、2割特例の適用を受けた事業者が
2割特例を受けた翌年や翌事業年度中に
その翌年や翌事業年度から簡易課税で
計算することを書いた簡易課税選択届出書を
提出した場合には
上記の原則の日に簡易課税制度選択届出書を
提出したものとみなされます。
個人事業主で考えると
令和5年までは2割特例で計算して
令和6年から簡易課税で計算したい
と考えた場合には
令和6年中に簡易課税制度選択届出書を
提出することで令和6年から簡易課税で
計算することができるようになります。
なお、こちらの措置は経過措置で
2割特例の適用を受けた事業者限定の
取り扱いになります。
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