【インボイス制度】消費者に限定した取引のインボイス交付義務を解説
消費者限定の取引もインボイスの交付は必要か?
事業者が提供するサービスに
よっては利用規約などで
消費者に限定していることがあります。
では、実際に利用したのが消費者で
ある場合にはインボイスの交付義務が
あるのかというと
消費者に対してはインボイスの交付義務は生じない
というのが国税庁の見解になります。
ただし、以下の国税庁の見解は
インボイスの交付義務がない場合の
判断に重要です。
利用規約等において提供するサービスの対象を消費者に限定し
実際に事業者による利用がないのであれば
適格請求書を交付する必要はありません。
国税庁 インボイスお問い合わせの多いご質問 問㉓より抜粋
事業者による利用があった場合はインボイスの交付は?
利用規約などで消費者に限定
しているところで事業者の利用が
現実に起こってしまった場合は
インボイスの交付義務は生じるのか?
インボイスの交付義務は生じる
というのが国税庁の見解です。
国税庁の考え方は
利用規約などによる制限にもかかわらず実際にサービスを利用した
課税事業者から適格請求書の交付を求められた場合には
利用規約などにかかわらず、消費税法上、インボイスの交付義務が
生じることになります。
国税庁 インボイスお問い合わせの多いご質問 問㉓より抜粋
になります。
この考え方の面白いところは
事業者から適格請求書の交付を求められた場合には
という文言です。
こちらを判断基準にするのであれば
交付を求められなかった場合には
交付義務は生じないとも受け取れます。
要するに、課税事業者から交付を求め
られるかどうかがインボイスの交付義務の
判断にならざる得ないわけです。
不特定多数の取引は簡易インボイスの交付ができる
消費者に限定している利用規約で
サービスを展開している場合には
簡易インボイスを交付できる
不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業
に該当する可能性があります。
もし、課税事業者からインボイスの交付を
求められた場合には
サービス提供事業者は
簡易インボイスの交付対象事業
であれば、簡易インボイスの交付ができます。
さて、現実でこのようなことが
起こるのかというと起こりえると
考えます。
利用規約で消費者としていても
利用規約を読んでいないとか
そもそも課税事業者である個人が
サービスを使ってしまうとか
会社の従業員が消費者として
使ったが会社の経費になる
ということで
経費精算のためにインボイスの
交付を求めることがあるかも
しれません。
実務上ではインボイスの交付が
できるようにしておいた方が
無難な対応だと考えます。
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