年末調整での控除関係をおさらいしてみる
年末調整の控除関係のおさらい
年末調整の控除関係のおさらいをしてみたいと思います。
まずは、以下のものをご覧ください。
赤い丸の部分が所得控除、青い丸の部分が税額控除です。
詳しくは、次で解説します。
ここでは内容を見てきたいと思います。
所得控除は、社会保険料控除、生命保険料控除、
地震保険料控除、配偶者(特別)控除、扶養控除
基礎控除等が該当します。
実際にお金を支払った場合の控除は、
社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除です。
お金の支払がなくても出てくる控除は、
配偶者(特別)控除、扶養控除、基礎控除等が該当します。
次に、青い丸の部分です。
こちらは、住宅ローン控除になります。
年末調整で住宅ローン控除を受ける場合には、
2年目以降からになります。
(所得税法74条~77条、79条、81条~84条、
租税特別措置法41条の2の2)
所得控除と税額控除の違いは?
さて、納税者が勘違いしやすいのは、所得控除と税額控除です。
所得控除とは、税金の対象となる金額から控除されるもので、
年末調整では給料の総支給額から控除されるものという
イメージで問題ないです。
ですから、税金がそっくりそのまま少なくなるという事ではありません。
あくまで、税金は間接的に少なくなるということになります。
算式を組んでみると・・・(社会保険料控除のみで計算)
1.社会保険料控除あり(総支給額500万円、社会保険料75万円)
①500-75=425
②①×20%=85(所得税)
2.社会保険料控除なし(総支給額500万円、社会保険料0円)
①500-0=500
②①×20%=100(所得税)
3.上記差額 100-85=15
つまり、上記の例だと、社会保険料控除という所得控除で、
15万円の所得税が少なくなったということです。
税額控除は、字のままで、所得税から直接控除するものです。
したがって、住宅ローン控除の金額そのまま、所得税を減らすことができます。
ちなみに、所得税から引ききれないものは、住民税から控除されます。
ワンポイントアドバイス!
所得税をなるべく減らしたいということであれば、
基本的には所得控除の活用が一番です。
上記以外にも、障害者控除、寡婦(夫)控除、
勤労学生控除といった特殊な控除が存在します。
それぞれで要件が異なりますが、一度は確認して頂きたい控除です。
また、年末調整で適用を忘れた控除が後で判明することがあります。
その場合には、確定申告にて適用すれば大丈夫です。
ただし、確定申告のデメリットとしては、給料と退職金以外の所得が
20万円以下だったとしても、給料以外の所得を確定申告に反映して
申告をしなければならなくなります。
ですから、給料以外に所得がないか、給料と退職金以外の所得を反映して
所得控除を適用することが本当に税金を少なくできるのかを
計算してから確定申告をするかどうかを選択すれば良いです。
(所得税法121条)
この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき
書かれています。法令に改正があった場合には、現在の
取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。
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