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年末調整の資料を準備してみよう!


年末調整ってなに?

年末調整とは、1年分の給料収入だけを

取り出して確定申告を会社が代行する

処理になります。

 

年末調整というと税金が戻ってくる

というイメージですが、

それは半分あっていて半分勘違いです。

 

毎月給料から徴収されている源泉所得税は

大体の金額で徴収されています。

その徴収されている源泉所得税は、

源泉所得税の月額表の甲欄というものを

適用して決められた金額を徴収しています。

 

その甲欄の金額は、扶養親族の数によって

変動することになるため、法律上だと

扶養親族の数に変更があれば、年末調整時に

書くことを要請される扶養控除等申告書を

変更があったごとに提出しなければなりません。

 

しかし、そうなると書く従業員や処理する

総務担当が煩雑となります。

したがって、年末調整時に一括して

書いてもらうということになるわけです。

 

そうなると扶養親族の数が減ったり増えたりしたり、

月額表の金額を間違えて徴収していたり

といったこともまとめて調整されるので、

必ず税金が還付になるということではありません。

徴収になる場合もあるということです。

 

(所得税法190条~192条)

 

年末調整でできることできないこと

さて、年末調整ではできることとできない

ことがあります。

 

できないことの代表例は医療費控除でしょう。

医療費控除は年末調整では適用できません。

医療費控除は確定申告で適用することになります。

 

また、給料を2か所から支給されている方や

総支給が2,000万円を超えるといった方は、

年末調整は適用できませんので、確定申告をする

ということになります。

 

それ以外は、住宅ローン控除の1年目の適用です。

住宅ローンの1年目の適用は確定申告をしなければなりません。

 

加えて、勘違いしている方がたまにいらっしゃるのが、

住民税が年末調整で経費になるのでは?ということです。

国民健康保険と勘違いしているだけだと思いますが、

残念ながら、住民税は国民健康保険の様に控除できません。

 

 

 

年末調整に必要な資料とは?

それでは、年末調整で必要な資料を見ていきたいと思います。

・扶養控除等申告書

・保険料控除兼配偶者特別控除申告書

・前職の源泉徴収票(転職者が必要です。)

・社会保険関係資料(国民年金の控除証明書、国民健康保険料の金額)

・生命保険料控除の控除証明書

・地震保険の控除証明書

・中小企業共済掛金の控除証明書

・マイナンバーカードのコピー

・住宅ローン控除の計算書、残高証明書

 

基本は、上記のものが必要となりますが、

特殊なものは、以下の通りです。

マイナンバーカードをもっていない場合

・通知カードのコピー

・写真入りの本人証明書(運転免許証など)

 

海外扶養親族がいる場合

・国、地方公共団体が発行する戸籍謄本など家族関係書類

これは、日本語に直したものが必要になります。

 

・為替取引による送金明細書

海外の扶養親族ごとに日本から送金している事実が

必要となります。

例えば、父親、母親を扶養親族にする場合には、

父親、母親へそれぞれ父親の口座、母親の口座に

日本から送金した事実が必要です。

 

金額と送金回数に要件は現行法令上、ありませんので、

1万円くらいを一回送金しておけば、適用できます。

金額は程度の問題ですので、いくらが適正なのか?

という判断は法律上ありません。

 

忘れやすいのが、子供の年金を親が負担している

場合になります。

この場合には、子供の年金を負担したものも

親の社会保険料控除の対象となりますので、

税金が安く済みます。

 

(所得税法194条、195条の2、196条、198条
所得税法施行令311条~313条、316条の2、318条の3
319条)

 

ワンポイントアドバイス!

年末調整でもめる原因というか、

説明に困るのが何で去年より還付が減ったの?

という質問です。

 

原因は給料が上がった、扶養の人数が減った

月給から徴収する毎月の源泉所得税が少なかった

など、色々考えられます。

 

まずは、年末調整とは言え、やっていることは

簡易的な確定申告ですので、適用税率を確認

してみてはいかがでしょうか?

 

特に、900万円超の所得では税率が23%から33%に

一気に上がることになりますので、還付額は下がります。

前年が900万円以下の所得であれば差が出ることになります。

 

この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき

書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。