身近な法務

【マイナンバーと預金口座の紐づけ】口座管理法制度を解説


口座管理法とは

正式名称は

預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律

といいます。

 

目的は第一条になり

この法律は、デジタル社会形成基本法(令和三年法律第三十五号)第二章に定めるデジタル社会(同法第二条に規定するデジタル社会をいう。)の形成についての基本理念にのっとり、預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理に関する制度及び災害時又は相続時に預貯金者又はその相続人の求めに応じて預金保険機構が預貯金口座に関する情報を提供する制度を創設する等により、行政運営の効率化及び行政分野におけるより公正な給付と負担の確保に資するとともに、預貯金者の利益の保護を図ることを目的とする。

ですが、明確ではないので条文を

わかりやすくすると

 

①預金者の意思に基づくマイナンバーの利用による銀行口座の管理に関する制度

②災害又は相続といったときに銀行口座の情報を提供する制度

により

・行政サービスの効率化、補助金などの給付と負担の確保をします。

・預金者の利益の保護になるようにします。

といったことです。

 

法律の運用上で最も大切なことは

預金者の意思に基づくマイナンバーの利用

をして銀行口座を管理することです。

 

つまり、預金者がマイナンバーを銀行に

提供するのかどうかは本人の意思に

よって行われます。

 

マイナンバーを提供するのが嫌な場合は

提供しなくても差し支えないわけです。

 

ただし、銀行は預金者にマイナンバーで

銀行口座の管理をすることについて

承諾を得なければならないとされています。

 

これが第3条2項に規定されている

内容です。

 

これがあるため、ネットでは銀行から

マイナンバーを使ってよいかどうかの

承諾書が来た場合には

 

ほったらかしにしないで承諾しないと

意思を表明するべきとする表現が

でてきたと考えられます。

 

 

口座管理法の3つの仕組み

デジタル庁では3つの仕組みが

紹介されています。

税金関係については後述します。

 

3つの仕組みとは

1.マイナンバーの利用による銀行口座の管理に関する制度

2.災害又は相続ときに銀行口座の情報を提供する制度

3.預金保険機構の業務の特例等

になります。

 

1.の管理に関する制度は

(1)銀行に対する申出等の制度(承諾も含みます。)

①預金者がマイナンバーの利用による管理の申出ができること

②銀行は口座開設などの取引を行うときには預金者に①の意思を確認しなければならない

(2)預金保険機構による通知等

①銀行は他の銀行口座もマイナンバーで管理することの希望を確認して
マイナンバーを預金保険機構に通知すること

②預金保険機構は通知されたマイナンバーを他の銀行へ通知する

③通知を受けた銀行は、マイナンバーで検索できる状態で管理しなければならない

実際の手続きを考えると

A銀行でマイナンバーを提供すると

 

A銀行から預金保険機構にマイナンバーが

通知されて、預金保険機構を媒介して

A銀行以外の銀行にもマイナンバーが通知

されることになります。

 

どうしてこのようになっているのかは

のちほど解説します。

 

2.災害と相続があった場合は

①災害救済法によって銀行口座の情報の提供を求めることができます。

②相続人は亡くなった人の口座情報の提供を求めることができます。

こちらは災害又は相続のときに

マイナンバーで管理されているので

手続きが楽になります!

ということです。

 

3.預金保険機構の業務の特例は

新法に基づき預金保険機構が新たに担う業務を規定等

になっています。

 

これは何をいっているのかというと

2024年4月1日の預金保険機構

業務方針では

 

口座登録法及び口座管理法に

基く対応として

マイナンバー関連業務である口座登録法及び口座管理法に基づく業務の開始に向け
引き続き口座情報連携システムの整備に取り組むとともに、関連業務を着実かつ円滑に行えるよう
事務取扱手続及びシステム運用に係る事項につき関係当局や関係団体等と調整を図る。

となっています。

 

マイナンバーと口座連携をする

システムの整備と関連業務

事務取扱となどになると考えます。

 

 

国税庁はどうやって口座情報を取得するか?

口座管理法で国税庁に銀行口座の

内容が知れ渡ると不安になる人が

今後とも増えそうです。

 

口座管理法第3条2項2号では

当該預貯金者の個人番号は、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二百二十五条第一項の規定による支払に関する調書の提出、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第二十九条第一項の規定による報告、預金保険法第五十五条の二第二項の規定による資料の提出その他の法令の規定に基づく手続において当該預貯金者の預貯金口座を特定するために利用され得るものであること。

とされており

 

第3条2項1号では

マイナンバーで管理する銀行は所得税の支払調書の提出や生活保護の手続きで
使われることを預金者に確認しなければならないとされています。

 

所得税法第225条の支払調書とは

金融商品で得た利益を受けた人や

法人について銀行が国税庁へ報告する制度

になっています。

 

つまり、金融商品で得た利益について

完全に個人を特定した形で報告される

ということになります。

 

次に国税庁が預金口座の取引情報を

確認する行為についてですが

 

口座管理法では今後預金保険機構に

マイナンバーと口座情報が集まってくる

ことになります。

 

結果、所得税の確定申告書や

相続税の確定申告書では

マイナンバーの記載が行われていることで

 

預金保険機構に調査対象者の

マイナンバーを伝えて銀行口座との

紐づけを行うことが考えられます。

 

口座を特定したあとで

銀行に対する銀行口座取引を

オンラインで取得する予定だと考えます。

 

オンライン照会は令和6年4月での

目標は100行としていることから

大手の銀行はほぼいつでも

 

オンラインで取引を取得することが

できるような状況になると考えます。

 

今後は、証券会社や保険会社にも

オンライン照会の枠組みを拡大するべく

利用勧奨をするようです。

 

以上のことから、銀行にマイナンバー

を届けることさえしなければよいわけではなく

 

現状であっても預金口座は

国税庁にいつでも確認される

恐れがある状況なのです。

 

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この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき

書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。

 

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