【令和5年分】年末調整で忘れがちなことと適用できない制度
年末調整で忘れがちなこと
年末調整はその年の所得税の精算
を行う制度です。
ざっくりとした計算としては
①年間の給与等-給与所得控除=給与所得
②①-所得控除=課税給与所得
③②×所得税率=年間の所得税額
④③-住宅ローン控除=所得税の確定
⑤④-給与から天引きされた源泉所得税=徴収又は還付額
といった計算になります。
復興特別所得税は所得税の2.1%
分になるため、今回は省略しています。
さて、年末調整で忘れがちなことは
所得控除に分類される控除のうち
社会保険料控除です。
一般的に社会保険料控除は
給与から天引きされた社会保険
が該当します。
しかし、次のものも社会保険に
該当します。
会社を辞めて転職期間中に
支払っていた国民年金や
国民健康保険料
親や子などの親族に代わって負担を
していた国民年金や国民健康保険料
後期高齢者医療保険料などです。
あなたが親族に代わって上記のような
社会保険を支払っている場合には
年末調整において、控除証明書など
を添付したりして
保険料控除申告書に書くことで
年末調整で社会保険料控除
として所得控除の対象になります。
さらに、見過ごしがちなのは遠方の
親などに仕送りをしている場合には
一定の所得以下の親などは
扶養控除の適用が考えられます。
年齢により控除額が違うため
調べておくとよいと思います。
年末調整の書類では
扶養控除等申告書に親族を
書くことになります。
結果、あなたの所得税や住民税の
徴収額や還付額に影響を与えます。
一般的には所得税が還付になる
場合が多いため、所得税では
還付額が増えます。
住民税は、前の年の金額を基に
計算されるため、住民税の納付額が
減ることになります。
令和6年分の住民税は令和5年分
の年末調整の内容を基に計算される
イメージです。
年末調整で適用できない制度
年末調整では適用ができない
制度があります。
①1年目の住宅ローン控除
②ふるさと納税
③医療費控除
になります。
これらは確定申告を行うことで
所得税や住民税に影響があります。
1年目の住宅ローン控除は確定申告を
行うことを前提に2年目以降は
年末調整で適用可能になります。
住宅ローン控除が住民税の金額を
減らす仕組みは、住宅ローン控除の
金額よりも所得税が少ない場合に
住宅ローン控除として所得税から
引ききれなかった金額が住民税から
控除される仕組みのイメージです。
ふるさと納税は所得控除の中の
寄附金控除になります。
確定申告をする場合には
ワンストップ特例と言って
寄附金控除が住民税だけで
適用される制度は使えなくなるため
注意が必要です。
寄附先の自治体から交付される
寄附金控除の証明書は捨てない
ほうがよいと思います。
医療費控除は現役世代では
10万円以上の医療費があった
ときに使うことが可能です。
医療費についてもあなただけでなく
配偶者やお子様、親などの親族の
医療費も取り込むことが可能です。
どのような場合に医療費の対象になる
親族になるのかを調べておくとよいです。
現在は、明細書の作成によって
医療費の領収書は提出しないことに
なっていますが
保存義務がありますので
法定の期間は保存しなければ
なりません。
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