建設業向け

建設業の利益構造を税理士が解説!


建設業の利益構造のポイント

建設業の利益構造のポイントは

請負うお仕事によって異なります。

 

①人工契約

②請負契約

 

人工契約

まずは分かりやすい人工のお仕事について

解説を行います

 

人工契約は職人を現場に派遣して

その工事に関わるお仕事です。

 

売上の請求は一般的に一人工となります。

対応する原価は職人の給料になります。

 

結果として一人工で請求する金額が

職人の給料を超えていれば利益が確定します。

 

人工が建設業では最も利益を出しやすい

パターンの売上になります。

 

理由は在庫や現場管理が不要になるからです。

在庫がないことで在庫購入や管理のリスクがないですし

現場管理が不要となるので管理コストも不要です。

 

細かいですが人件費以外に道具代なども

かかりますが売上で吸収することができます。

 

請負契約

請負契約の利益構造は次のようになります。

売上ー材料費ー労務費ーその他原価

になります。

 

材料という在庫、労務費として人件費など

その他原価として外注費などがかかり

その管理も必要になります。

 

契約上では完成期日が決まっていますので

それまでに完成をしないといけません。

 

現場によっては当初考えていた現場とは

異なっていることもあり得ます。

 

想定していた現場よりも簡単であれば

良いわけですが

 

建設中に問題となる箇所が出てくると

工事をそのまま進めることができない

といったことも考えられます。

 

単純な売上ー原価では収まらない

可能性があるわけです。

 

 

規模と利益率を追求する

いずれにしても建設業で利益を出す場合には

規模と利益率を追求することになります。

 

規模とは請負う金額の大きさで

利益率とは経費を抑えることです。

 

規模が大きい場合と小さい場合を数字で

比較してみます。

 

請負代金が1億円の現場と3,000万円の現場です。

利益率は15%としてみます。

 

請負代金が1億円の現場では1,500万円の利益になります。

請負金額が3,000万円の現場では450万円となります。

 

さらに利益率を考えてみましょう。

もし3,000万円の現場の利益を

1億円の現場と同じようにしたい場合には

利益率が50%必要となります。

 

言い換えると原価は1,500万円までしか

使えない制約がかかります。

 

結論としては規模が大きいから

大雑把に経費を使っても良いわけではなく

利益率の追及はした方が良いわけです。

 

 

粗利で会社の維持費を賄う

会社の経営は現場だけで完結する

わけではありません。

 

会社としての維持費がかかります。

 

例えば、事務所の家賃、公共料金

外部との打合せの会議や交際費も必要です。

 

この様な費用は基本的には原価に入りません。

理由は現場と直結する経費ではないからです。

 

したがって、会社の維持費をまとめる

販売費及び一般管理費というくくりになります。

 

販売費及び一般管理費を賄うのが

粗利です。

 

因みに、社長さんや事務職員の給料も

販売費及び一般管理費に該当します。

 

最終的に粗利で稼いだ部分で会社の維持費を

賄うという構造が出来上がります。

 

この点を売上の請求に反映させる

ことができていない中小企業が

多いのではないかと思います。

 

なぜなら、粗利まではプラスなのに

粗利から販売費及び一般管理費を控除した

営業利益はマイナス又は金額が少なくなる

という場合があるからです。

 

建設業は人工契約では職人の単価が

概ね決まっているので会社で利益を

出そうと思ったら維持費を極力減らす

という企業努力も必要になります。

 

請負契約では基本的に原価を削減して

維持費を賄うことができるように

現場管理が大切になります。

 

 

 

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この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき

書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

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