親族外承継を行う場合の判断、流れ、対策を解説!
親族外承継とは?
親族外承継とはオーナー社長さんの親族内に
会社の経営を任せる人がいない場合の事業承継の方法です。
親族外承継には2つの種類があります。
・自社の従業員を後継者として会社を承継する方法
・外部のほかの会社に経営権を譲渡して承継する方法
自社の従業員の場合には一般的にMBOという手法で
自社株式を譲渡する方法となります。
外部のほかの会社に経営権を譲渡する場合には
M&Aという手法となります。
今回は自社の従業員を後継者にした場合について
解説を行っていきます。
親族外承継の判断と流れ
自社の従業員に会社を承継する場合の判断としては
オーナー社長さんの親族に経営を任せることがない
という前提が必要です。
親族が誰も自社で働いたことがなく
経営を任せることができないといったことがあります。
事業承継を判断するときには
オーナー社長さんに事業承継の意思があるのかが重要です。
そのあとに後継者がいるのかどうかです。
基本的には親族外承継を行う場合には
自社の内部で後継者になりそうな人を育成して
色々な調整が整ったら経営権の譲渡となります。
以上のことから親族外承継を行う場合の流れは
①オーナー社長さんに事業承継の意思があるのか
②意思がある場合、後継者がいるのか
③後継者の選択
④後継者の育成
⑤経営権の譲渡スキーム構築
⑥経営権の譲渡
⑦事業承継終了
ということになります。
親族外承継の対策
親族内承継と異なり基本的には親族外事業承継では
有償で行うことが一般的であると考えます。
つまり、オーナー社長さんが保有している自社株式を
経営権を引き継ぐ従業員等へ譲渡していくことになります。
とどのつまり、親族外承継の場合のネックとなることは
株式の譲渡対価です。
ここを解決する方法としてMBOという手法があります。
MBOとはManagement Buyoutの略称です。
経営陣である従業員役員が事業の継続性を前提に
自社株式を購入してオーナー社長になることを言います。
スキームとしては次のようになります。
事業承継対象会社:A社
事業承継引継ぎ会社:B社
まずは、B社を従業員役員が設立して金融機関から
A社株式を購入することができる資金の融資を受けます。
そしてA社の株式をオーナー社長さんから購入して
B社がA社の親会社となり事業承継を行うことになります。
上記のうちB社を設立する必要があるのか
という疑問が出てきます。
B社の設立意味は、事業承継をする従業員役員が個人では
多額の融資を行うことが現実的ではないからです。
中小企業では過去の累積黒字があり
設立したときの資本金は500万円くらいであっても
株式の評価をしてみると1億円を超えることがあります。
1億円以上の融資を個人で引き受けることができるのは
個人的にかなりの金融資産を持ってないとできないのです。
従って、受け皿となるB社を設立して事業承継を行う
というスキームのMBOが行われることが多くなります。
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