会社・事業

黒字なのにお金が残らないのは一体なぜか?損益計算と収支計算で解説

Pocket

黒字なのにお金が残らない理由

税理士として関与していると関与先から

「黒字なのにお金が残らないんです。なぜでしょうか?」

 

このようなご質問を受けることがあります。

 

多くの場合に、理由は借入金の年間返済額の合計にあります。

 

ざっくり申し上げると

税金を支払った後の利益から返済金を返済しています。

 

このときに税金を支払った後の利益以上に

返済金を返済している事実があるはずです。

 

例えば、年間利益が200万円だったとして

返済金の年間合計額が300万円だったとしたら

マイナス100万円ですね。

 

運転資金で7年返済という状態であれば

合計で700万円の現金が失われていることになります。

 

つまり、事業をやればやるほどお金が出ていって

上記の様な経営では絶対にお金はたまりません。

 

それと、運転資金を借りて返済していると

お金が足らなくなりますので借換えを行って

お金の不足を補うことになります。

 

これで借入のエンドレスが完成です。

私が金融機関の融資担当者ならカモにネギを付けられた!

と考えます。

 

上記のあとは経営がうまく行っているなら

借換の需要を満たそうと融資は継続されますが

経営がうまく行かなくなると途端に融資を渋り

お金を融資してくれなくなる可能性が出てきます。

 

 

損益計算と収支計算のポイント

それでは、黒字なのにお金が残らない理由を

理論的に解説していきます。

 

なお、今回は考え方と構造をご理解頂きたいだけなので

損益計算と収支計算はそれぞれ全て預金だけで

完結することを前提に説明していきます。

 

損益計算のポイント

損益計算とは毎年の業績を計算する方法です。

売上などの収入から仕入、給料、家賃、支払利息などの

経費を控除して計算していきます。

 

このときに全部の収益>全部の経費となると

黒字になります。

 

なお、今回は全部預金で処理していることになりますので

増えた現金=黒字の金額

ということになります。

 

 

収支計算のポイント

収支計算とは毎年のお金の移動状況を基に

現金の増減額を計算する方法となります。

 

ですから現金で行った取引全般をまとめて

計算することになります。

 

例えば、上記の損益計算での全部の収益と全部の経費は

収支計算の範囲内に入ってきます。

 

また、借金をした場合にはお金が入金されるので

お金が増えますが、返済したときにはお金が減ります。

 

このようにして計算していくのです。

 

損益計算と収支計算では範囲が異なる増減がある

損益計算と収支計算では範囲が異なる増減があります。

最たる例が銀行からの借入金です。

 

借金をしてお金が預金通帳へ振り込まれてきたときには

損益の売上、つまり、収益にはなりません。

 

理由はお金の貸し借りにすぎないからです。

 

では逆に返済のときには

元金の返済はお金を返しただけなので損益の経費になりません。

理由はお金を借りたときに収益にならないので

返済の時にも経費にならないという対応関係から来ています。

 

経費になる部分は元金と一緒に支払った利息が

損益計算で支払利息という経費になりますね。

 

結果として、銀行借入で発生した増減で

元金の増減は損益計算に影響しないことになります。

 

逆に収支計算では全部が影響してきます。

損益計算でのお金の増減、税金の納付でのお金の増減

借金の返済の増減など会社経営のお金の増減すべてです。

 

今回の前提では、すべて預金での取引にすることにしました。

これで収支計算を考えると損益計算で黒字となれば

黒字となった金額そのままお金が増えます。

 

しかし、よくよく考えると損益計算で考慮できない

お金の取引が存在します。

 

それは、借金の元金の返済です。

 

初めに戻って、

損益計算で年間の黒字が200万円だとします。

ということはお金は200万円増えています。

 

しかし、借金の返済が年間300万円あるとします。

こうなると収支計算では年間100万円が減った

ということになりますね。

 

黒字なのにお金が増えない理由は

黒字の金額よりも返済の金額が多いからです。

 

つまり、損益計算で稼いだ利益以上に

返済を行っていることが理由になります。

 

 

 

借入を見直してみては?

ここまで借金の返済でお金が残らないのだ!

という会社の構造問題を指摘しました。

 

ただ会社によってはそうではないことが

あるかもしれませんので念のため

返済金額が理由でお金が溜まらないのかを

確認する方法があります。

 

簡易的なフリーキャッシュフローを計算します。

フリーキャッシュフローとは黒字によって自由に

使えるお金のことです。

 

税引後当期純利益+減価償却費=簡易的なフリーキャッシュフロー

ということになります。

 

簡易的なフリーキャッシュフロー>年間返済額の合計

という状況であれば金額によりますが増えていきます。

金額が小さいと毎月の運転資金に吸収されますので

増えた実感はわかないと思いますが。

 

簡易的なフリーキャッシュフロー<年間返済額の合計

という状況だと絶対にお金は増えません。

 

むしろ、銀行から見るとカモネギ状態です。

定期的に借換の営業を銀行から受けて銀行の言われるまま

借入をしている状況だと思います。

 

こうしたことから1点アドバイスをするとすれば

借入期間を延ばすということがあります。

 

要するに返済期間をさらに長期にして

毎年の返済額の合計額を減少させることです。

 

 

 

公式ブログはこちら(平日毎日更新中)

 

この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき

書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。