医療費控除は所得税と住民税をどれだけ減らすことができるのか試算をする
前提条件
医療費控除のみで所得税の確定申告をするひとが
近年増えています。
今回は医療費控除の減税の効果を測定するため
税金の計算をしてみようかと思います。
まずは前提条件を設定していきます。
年収360万円(月収30万円)とします。
もちろん給料ということになります。
また税額の違いを測定するだけなので
給料から天引きされる源泉所得税は考慮しません。
社会保険料は標準報酬月額30万円として判定し
40歳未満とすると月額42,300円で年額507,600円となります。
以上で所得税と住民税の計算をしつつ
医療費控除の税金の効果を測定しようかと思います。
なお、計算の便宜上、社会保険料以外のことは
考慮せずに行います。
医療費は年30万円だったとします。
医療費控除で税金はどれだけ減るのか?
所得税への影響について測定する
(1)給与所得の計算を行う
①給与所得控除の計算
3,600,000×30%+180,000=1,260,000
②給与所得の計算
3,600,000-①=2,340,000円
(2)所得控除の計算
①社会保険料控除 507,600円
②医療費控除 300,000-100,000=200,000円
③基礎控除 380,000円
④①+②+③=1,087,600円
(3)所得税の計算
①(1)ー(2)=1,252,400円
②①×5%=62,620円
以下では医療費控除を入れない場合の計算をします。
(1)給与所得の計算を行う
①給与所得控除の計算
3,600,000×30%+180,000=1,260,000
②給与所得の計算
3,600,000-①=2,340,000円
(2)所得控除の計算
①社会保険料控除 507,600円
②医療費控除 0円
③基礎控除 380,000円
④①+②+③=887,600円
(3)所得税の計算
①(1)ー(2)=1,452,400円
②①×5%=72,620円
医療費控除(20万円)を適用した所得税の差額は
72,620-62,620円=10,000円
ということになります。
つまり、医療費控除が20万円で、前提上限の場合だと所得税率が
5%になっているので20万円×5%分だけ税金が減ることが分かります。
結論から申し上げると、所得税率が上がれば上がるほど
もっと申し上げると、お金持ちであればあるほど
医療費控除による税金を減らす効果が大きくなることになります。
住民税の影響について測定する
(1)給与所得の計算を行う
所得税との違いない ∴2,340,000円
(2)所得控除の計算
①社会保険料控除 507,600円
②医療費控除 300,000-100,000=200,000円
③基礎控除 330,000円
④①+②+③=1,037,600円
(3)住民税の計算
①(1)ー(2)=1,302,400円
②①×10%=130,240円
(なお調整控除という税額控除がありますが今回は考慮しません。)
以下では医療費控除を入れない場合の計算をします。
(1)給与所得の計算を行う
所得税との違いない ∴2,340,000円
(2)所得控除の計算
①社会保険料控除 507,600円
②医療費控除 0円
③基礎控除 330,000円
④①+②+③=837,600円
(3)住民税の計算
①(1)ー(2)=1,502,400円
②①×10%=150,240円
医療費控除(20万円)を適用した所得税の差額は
150,240円-130,240円=20,000円
ということになります。
こちらも所得税と同様で適用する医療費控除の金額に
税率を乗じた金額が差額になります。
所得税と住民税で合計30,000円の減税効果があった
ということになりますね。
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