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税務の記帳義務と会計の記帳義務の違いとは?


税務の記帳義務とは

税務の記帳義務とは、帳簿書類の備付け等という規定があります。

所得税と法人税の両方に規定があり、主に対象者は白色申告が

対象となっています。

 

「一定の簡易な方法により記録し、かつ、その帳簿を保存

しなければならない。」との規定になっているので義務規定です。

 

また、消費税おいては、帳簿及び請求書等の保存が義務です。

消費税については、「簡易な」という文言はありませんので、

通常とおりに記帳していかねばなりません。

 

税務上の基本原則として、公平と適正な課税がありますので、

それが出来さえすれば、問題はありません。

しかし、消費税については、取引の1つ1つから消費税額を

認識しなければならなくなりますので、厳密な記帳が

必要になってきます。

 

また、青色申告は要件として記帳義務がありますので、

白色申告の様に簡易なということはありません。

通常とおりに記帳をして、帳簿を作成することになります。

その見返りとして特例措置があるわけです。

 

 

(所得税法232条、法人税法150条の2、署費税法58条)

 

 

会計の記帳義務とは

会計の記帳義務は会社法により義務になっています。

「簡易な」という文言は当然にありません。

会計上は、貸借対照表や損益計算書を通じて

株主へ営業報告をすることになってます。

したがって、簡易にすることはできません。

 

また、その記帳の方法として、一般に公正妥当と認められる

企業会計の慣行に従う必要があります。

そうしますと、企業会計原則という企業会計のルールに則って

記帳が行われるということになります。

 

基本的には会社法上の記帳と税務上の記帳は同じです。

ただ、会社法の場合には白色申告、青色申告の区別はなく、

会社のコンプライアンスという意味での法令です。

ですから、記帳しない=コンプライアンス無視という

ことになるわけです。

 

 

(会社法431条、同法432条)

 

 

ワンポイントアドバイス!

この様に法令上は、2つの視点から記帳を考えることができます。

しかし、オーナー企業だと税金のための記帳という意識から

脱却できません。

 

これはひとえに、痛税感があるということなろうと思います。

しかし、痛税感があるとはいえ、借入があれば、銀行対策を

行わなければならないこともあります。

 

そういったときにも記帳は重要なものとなります。

税金だけでなく、他の目的(経営の目標達成など)に

活用できないかどうかを一度考えてみては

いかがでしょうか?

 

 

 

この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき

書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。