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【インボイス制度】振込手数料でもインボイスは必要になる?


振込手数料はインボイス交付義務に該当する

取引慣行として振込手数料が

差し引かれて売上金が入金される

ということがあります。

 

インボイス制度では差し引かれた

振込手数料であっても

 

インボイスを交付する義務が

生じます。

 

では、誰がインボイスを交付する

義務があるのかというと

 

振込手数料の処理によって

異なることになります。

 

①当社が振込手数料を売上金の入金の売上値引として処理するケース
→当社がインボイスを交付する義務が生じます。

②当社が振込手数料を支払手数料として課税仕入として処理するケース
→銀行や取引先にインボイスの交付義務が生じます。

 

取引ごとに分けて考えてみましょう!

 

当社が売上値引として処理した

ケースでは実務上で

 

(借方)売上 (貸方)売掛金

という処理を行います。

 

このため、売上を減額したという

処理になるため当社に売上値引を

したというインボイスの交付義務が

生じることになります。

 

対して、当社が支払手数料として

課税仕入処理した場合には

 

(借方)支払手数料 (貸方)売掛金

という処理になります。

 

当社は振込手数料について

仕入税額控除を受けるためには

インボイスを保存する義務が

生じることになるため

 

振込手数料でメリットを受けた

銀行や取引先からインボイスの

交付を受けないと仕入税額控除を

適用できなくなるためです。

 

 

 

少額な返還インボイスの交付義務

さて、振込手数料のような金額が

小さい金額にまでインボイスの

交付義務が生じることになると

実務上で大変な労力が必要です。

 

労力を減らすために

令和5年税制改正大綱では

 

少額な返還インボイスの交付義務

を免除する規定が盛り込まれました。

 

すなわち、当社が負担する

振込手数料を売上値引として

処理することでインボイスの交付義務

が免除される仕組みです。

 

適用対象者は全事業者になっており

適用期間に制限はないため恒久的

措置となっています。

 

ただし、「少額な」との考えで

税込1万円未満の取引に限定

されています。

 

今後は、振込手数料を次の

いずれかで処理することで

 

少額なインボイスの交付義務

免除を受けることができます。

 

①当社が振込手数料を売上値引として処理する

又は

②当社が振込手数料を支払手数料として処理して、消費税区分を売上値引として処理する

いずれかの方法になります。

 

一般論になりますが振込手数料は

支払手数料として処理される

ケースの方が多いと思われます。

 

したがって、支払手数料に補助

科目や補助コードを作成して

 

補助科目やコードの税区分を

売上値引として処理しておけば

 

振込手数料を補助科目や

補助コードで処理するだけで

 

少額な返還インボイスの交付義務

免除の適用を受けられるように

なると考えます。

 

 

 

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