身近な法務

令和5年分以降の所得税では確定申告書を提出しない場合に経費が全額否認される


令和5年分以降の所得税はこう変わる

自由民主党の令和4年税制改正大綱には

令和5年分以降の所得税について

次の改正が行われることになっています。

 

対象の所得不動産所得、事業所得、山林所得又は
雑所得でその年の前々年分の収入金額が300万円を超えるもの
事由隠蔽仮装行為に基づき確定申告書を提出しており、又は確定申告書を提出していなかった場合
所得税での取り扱い帳簿などで支出が明らかな経費を除き必要経費に算入しない

 

解説しますと

いわゆる事業をやっている人が対象になります。

 

隠蔽仮装行為とは主に重加算税という

罰金の対象となる行為になります。

 

例えば、二重帳簿を作成しているとか

帳簿に虚偽の記載をしているとか

要するに税金を不正な手段で意図して

減額するような行為になります。

 

隠蔽仮装行為により確定申告書を提出したり

又は確定申告書を提出していなかったことが

必要経費にしないための要件になります。

 

 

 

実務上で懸念されること

実務上で懸念されることとしては

隠蔽仮装行為の判断になります。

 

基本的には重加算税における隠蔽仮装行為で

事実認定を行うと思われますが

 

私が懸念していることは意図せず

確定申告書を提出していなかった納税者への

事実認定になります。

 

例えば、メルカリで継続的にものを売買して

得た収入について所得税の課税対象ではないと

誤認しているような場合であったとしても

法律の不知は隠蔽仮装行為になるものして

取り扱うのかということです。

 

現状では法律の不知は隠蔽仮装行為の除外

となっていません。

 

法律の不知と同じように誤認していて

確定申告書を提出しなかったような場合も

隠蔽仮装行為になる可能性がでてきます。

 

隠蔽仮装行為に基づき確定申告書を提出

しているという表現も解釈の余地があります。

 

例えば、個人的な経費を間違えて経費に計上し

確定申告書を提出した場合も隠蔽仮装行為に

なるのかです。

 

個人的な経費を間違って入れたとしても

帳簿の仮装経理になる可能性があります。

 

このように隠蔽仮装行為の解釈によって

必要経費の算入が制限される可能性がある

近年まれにみる悪法です。

 

 

 

 

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この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき

書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。

 

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