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創業時の資本金を役員が使ってしまった場合の処理を税理士・行政書士が解説


創業時の資本金はどのように処理するのか?

創業時の資本金は次の流れになります。

商業登記の時に個人通帳に

資本金にする金額を入金する。

 

このときに商業登記では定款で定めた

資本金として設立登記が行われます。

 

設立登記が完了すると法人の通帳を

開設して法人の通帳へ個人通帳から

資本金の金額を移動させます。

 

会計処理では法人の通帳へ資本金が

移動されて資本金を認識する処理ができます。

 

一般的には設立登記から資本金を認識するまで

資本金を使わないことになります。

 

そうしないと他からお金を持ってこれない

ということになると登記した資本金の金額と

実際のお金に差額が生じることになります。

 

 

創業時の資本金を役員が使ってしまった場合の処理

法人の設立登記~法人の通帳を開設するまで

事業としてはお金が必要な場合があり

社長さんが使いこんでしまうことがあります。

 

そうなると会計処理では登記した資本金を

認識することができなくなります。

 

つまり、登記した資本金と持っているお金に

差額が生じることになるわけです。

 

こうした場合には登記した資本金と

実際のお金の差額は役員貸付金又は

役員賞与として認識することになります。

 

上記の認識は次のような取引が

あったものと考えて処理が行われます。

 

会社の資本金の金額は登記の資本金ですが

これがいったん会社に入って資本金になり

 

その資本金を社長さんが何かしらに

使ったという処理で2段階になります。

 

資本金と実際のお金の差額は上記の処理を

一度に認識した処理になるわけです。

 

このときには役員賞与することは

法人税上では事前確定届出給与に該当する

ということがない限り損金不算入処理になります。

 

さらに源泉所得税の天引きを行わずに

支給されたことになりますので

源泉所得税も認識しておかないと

税務上のトラブルになります。

 

結論として、実務上ではいったん役員貸付金にし

それを社長さんが返済するようにする

 

または社長さんが使ったお金で経費になるものが

あるのであれば未払の経費精算と相殺して

役員貸付金の減額を行うことになります。

 

なお、役員貸付金は税務上で利息も

付しておくことになります。

 

令和3年度の利率は年利1%になっており

国税庁から公表されています。

 

 

 

 

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