設備投資をする場合の融資の実務を税理士が解説!
設備投資をする場合の融資の考え方
融資を受けて設備投資をすることがあります。
まずは収支計算ベースで考えてみます。
設備投資は購入するときにお金を支出します。
ですから、設備投資額を捻出するためには
自社のお金と融資の合計額となります。
このときに、自社のお金に余裕がなければ
設備投資額=融資額
という融資を受けることになります。
すなわち、お金が増減することはないです。
対して設備投資後のお金の流れは
融資の返済+利息がお金の支出となります。
設備投資額では損益計算ベースにて
購入後の各事業年度に減価償却費という
お金の支出がない費用がコストになります。
すなわち、お金の支出がないにも関わらず
費用にできることになり、減価償却費分だけ
会社にお金が貯まることになります。
返済原資は、この減価償却費によって
賄うことが原則的な融資の考え方になります。
ここからわかることは損益計算ベースでの
費用処理が収支計算に影響を与えているです。
耐用年数・減価償却費・年返済金額を確認する
減価償却費は実務上では税法基準により
金額を計算することになります。
減価償却費の計算は耐用年数による償却率と
償却方法により行います。
耐用年数は設備投資を行った資産で異なり
償却方法により償却率が変わってきます。
したがって、融資の返済期間と耐用年数が
一致しないことが実務上起こりえます。
融資は返済期間によって年返済金額が決まります。
事業では動産を設備投資することから
基本的には耐用年数<返済期間になる
可能性が高くなります。
そうすると、設備投資の減価償却費が先に多く計上され
会社の資金繰りは一時的に改善するようになります。
しかし、耐用年数経過後においては
減価償却費が計上されないことから
事業資金から融資を返済することになります。
結論として、設備投資で融資を受ける場合には
耐用年数経過後の利益の増加がないと
融資の返済金額が会社の資金繰り上重荷になる
という可能性があります。
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