会社の資金繰りを知る第一歩!運転資金の正体を税理士が解説!
会社は資金繰りが命
会社を創業して事業を行っていくためには
お金が必要となります。
結論として会社は初めにお金の出金があるわけです。
売上はそのあとからついてくることになります。
資金繰りがうまく行かないのは先にお金が出ていくので
その出ていくお金に入って来るお金が間に合わなくなる
ということが原因です。
従って、会社は資金繰りが命ということになります。
基本的に会社は
お金の出金>お金の入金
という状態が継続的になって行きます。
社長さんとしては上記を打開するために
金融機関から融資を受ける、自分で補填して
事業のお金を工面することになります。
運転資金の正体を知ろう
上記が運転資金と言われるイメージとなります。
もっと具体的に運転資金の正体が分からないと
会社のお金のことが分かりません。
運転資金とは一般的には以下の計算を行います。
経常運転資金(正味営業運転資金)=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-買入債務(買掛金+支払手形)
(ウィキペデアより引用)
では、運転資金として本当に上記の計算だけで
完結するのかという問題があります。
上記の運転資金の概念は非常に狭い定義です。
実際に会社は販売費及び一般管理費という経費があります。
販売費及び一般管理費は給料、社会保険、福利厚生費
接待交際費、会議費など会社の営業活動に必要な経費や
会社の維持に必要な固定費が含まれています。
販売費及び一般管理費は、会社の中では運転資金のプラス部分で
補われることになります。
ざっくり申し上げると、売上金の入金ー仕入代金の出金の差が
販売費及び一般管理費の財源になるわけです。
しかし、実際にはそうならず、運転資金のプラスは
次の運転資金に使うことになります。
こうなると販売費及び一般管理費に使うお金が無くなります。
従って、金融機関からの融資、社長さんが個人的にお金を会社へ入れる
ということが起こってくるわけです。
事業が成長すると運転資金が変わる
運転資金のプラスが次の運転資金に間に合わない
ということが現実では起こる可能性があります。
理由は、事業が拡大するからです。
例えば、次のようなことを考えてみましょう。
年商1,000万円の会社が年商2,000万円になった場合です。
普通に考えて、売上が2倍になったので
資金繰りも2倍になるはずです。
前提として原価率50%にして計算してみましょう。
年商1,000万円のときには半分の500万円が仕入に必要です。
結果として、資金繰りのプラスは500万円になります。
500万円の資金繰りのプラスが年商2,000万円の運転資金のときに
賄うことができるのかというと
年商2,000万円では仕入に必要なのは1,000万円になります。
そうすると・・・、あれ?、500万円では足りない・・・
ということになるわけです。
さらに、上記の様になっていても販売費及び一般管理費の支払は
待ってくれません。
給与の遅配などすれば従業員のモチベーションに関わります。
このように、創業から成長期には運転資金で運転資金を
賄うことができなくなることが起こりえるのです。
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