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借入の返済は経費とならない!資金取引と損益計算で考える!


なぜ借入の返済は経費とならないのか?

借入の返済は経費となりません。

理由は、資金取引だからです。

 

資金取引とはお金を移動させているだけという取引です。

借りたものを返すということで債務を支払っているだけなのです。

 

ただし、借入の返済で利息を支払うことがあります。

利息は経費となります。

 

なぜなら利息を受け取った側が収入となるからです。

 

この点から見えてくるのは

借りたお金はその借りた分を返済します。

 

つまり受け取ったお金をそのまま返しているだけなので

経費とならないという説明がつきます。

 

しかし、金融機関は無料でお金を貸すことはありません。

お金を貸すことで、貸した期間中に貸したお金に対する

料金を請求することになります。

 

この請求された金額はお金そのものではなく

お金に上乗せされた利益と考えると

 

利息を支払った事業主が経費になるということは

分かりやすいと思います。

 

事業主でありがちな勘違いは

借入を返済した金額が経費になるという考え方です。

 

返済した金額そのものはお金の移動なので

経費となることはなく

 

支払った利息が経費となることを知っておきましょう。

 

 

損益計算で考える

なぜ利息のみが経費になるのか

不満を覚える方がいると思います。

 

こちらは損益計算という概念で考えると

不公平がなくなると思います。

 

まず損益計算では収入ー経費という計算です。

 

ここから金融機関からの融資をまずは考えてみます。

金融機関からお金を借りたときに入金されるお金は

事業主から見ると収入でしょうか?

 

違いますよね?

 

先ほども申し上げたようにお金を移動させて

貸したという資金取引です。

 

もし収入であると考えると

金融機関はお金を贈与したことになります。

つまり、差し上げたということです。

 

しかし、そんな契約にはならずお金の貸し借りの契約です。

ですから返済を前提とした契約となります。

 

では、利息についてはなぜ経費となるのでしょうか?

こちらは先ほど申し上げたようにお金を貸し付けたことにより

得ることができる果実のようなものです。

 

ですから金融機関としては収入となります。

つまり、売上となりますから、それを支払った事業主としては

経費になるのです。

 

損益計算では必ず表裏一体関係にあることになります。

売上として収入となるお金は、そのお金を支払った相手方は

経費になるという表裏一体関係です。

 

ここでもし、資金取引であるはずのお金の貸し借りを

損益計算に落とし込めるとなるとどうなるのかを仮定してみます。

 

金融機関はお金を貸すことでに事業主にお金が入金され

事業主側では収入となりますので借りた金額が売上となります。

逆に、金融機関側では同額が経費となります。

 

その後、事業主側が借入の返済をしたときには

返済金と利息が経費となって、金融機関では返済金と利息が売上となります。

 

このような計算はおかしくないですか?

 

もし上記の様な計算を行うとすれば

事業主側ではお金を借りたときに借りた金額が収入となるので

損益計算上では全額利益になります。

 

そうなるとお金を借りただけにも関わらず

税金が課税されるということになります。

 

損益計算では単なる資金取引は経費となりません。

ですから借入の返済が経費とならないことは

事業主にとって良いことなのです。

 

 

 

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