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架空人件費は税務調査バレするか?


架空人件費とは?

架空人件費とは、大まかに申し上げると

実際には存在しない人や在職自体がない

いわゆる透明人間をでっち上げて、

給料を支払うという手法です。

 

税金計算上、不正行為です。

通常は仮想隠蔽行為に該当しますので、

調査で見つかれば、本税の追徴以外に

重加算税という罰金もついてきます。

 

では、上記以外には架空人件費

という枠組みの給料はないのか?

ということになります。

 

実は、あります。

勤務実態のない親族への給料、

仕事をしていないのに支給する

青色専従者給料

この2点が挙げられます。

 

よくわかっていない税理士が

いるので、断っておきますが、

こういった行為は不正だと

社長もわかっています。

 

しかし、お金を少しでも

残してきたいという思いから、

こういった行為に走ってしまう

傾向があるのです。

 

税理士として見過ごせないと

思う人が大多数だとは思います。

しかし、そういったことを

相談されない税理士にも非が

あるのだということも

税理士は認識しなくては

いけません。

 

(国税通則法68条)

 

税務調査での人件費の調査手法

人件費の調査も重要項目です。

実際には、扶養控除等申告書、

賃金台帳を確認していきます。

 

それと、帳簿の内容を書き込んで

いって内容を精査して質問してきます。

 

平成28年よりマイナンバーを

扶養控除等申告書へ記載することに

なったので、月額の源泉所得税の

甲欄を適用したい人は、マイナンバーが

必要不可欠となりました。

 

ですから、透明人間をでっち上げる

ことはできなくなりました。

マイナンバーが必要だからです。

 

(国税通則法74条の2、所得税法194条、
所得税法施行規則73条)

 

どこまでやるか税務調査

上記の様にマイナンバーが

できたことにより、甲欄適用が

事実上できないことになります。

 

やろうと思えばできますが、

記事の範囲ではないので割愛します。

 

そうすると今度は、乙欄又は丙欄で

わざと徴収しておいて、源泉所得税は

当社負担で手取り額だけは、

社長のポケットに入るという

ことが想定できます。

 

そうすると、税務調査での書面上では、

賃金台帳上や一人別源泉徴収簿にしか

架空人件費が出てこないことになります。

 

当然、会社へ聞いても架空だとは

認めませんので、今度は反面調査という

ことになります。

 

実際にその人の住所に行ったり、

会社をちょっと見張ってみたり

ということで、事実を積み重ねて

架空人件費の証拠をつかんで

行きます。

 

上記のようなことまで、

やるかどうかは調査官によりますが、

反面調査までは実行される可能性が

高い点に注意してください。

 

 

ワンポイントアドバイス!

架空人件費と思われないために

まずは、勤務実態があることを

証明するために、タイムカードや

勤務表を作成してきましょう!

 

また、親族への給料が高いと

難癖をつける調査官もいるので、

仕事は何をやっているのかも

明らかにしておくこと良いです。

 

調査時に難癖をつけられることが

減りますし、反面調査ができない

様にすることができます。

 

 

この記事は、この記事を作成してる時点の法令に基づき

書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

取り扱いとは違った取り扱いになる可能性があります。