電子帳簿保存法

【電子取引のデータ保存】改ざん防止と検索機能が不要になる新たな猶予措置とは?


新たな猶予措置と要件

令和5年税制改正により

新たな猶予措置が

 

2024年(令和6年)1月1日以降の

取引について整備されました。

 

要件は次の2つとも満たす場合です。

①保存時に満たすべき要件に従って電子取引データを保存することができなかったことについて
所轄税務署⻑が相当の理由があると認める場合(事前申請等は不要です。)

②税務調査等の際に、電子取引データの「ダウンロードの求め」及びその電子取引データをプリントアウトした
書面の提示・提出の求めにそれぞれ応じることができるようにしている場合

 

実務上気になることは

「相当の理由」の中身です。

  • 「相当の理由」とは、例えば、その電磁的記録そのものの保存は可能であるものの、保存時に満たすべき要件に従って保存するためのシステム等や社内のワークフローの整備が間に合わない等といった、自己の責めに帰さないとは言い難いような事情も含め、要件に従って電磁的記録の保存を行うための環境が整っていない事情がある場合については、この猶予措置における「相当の理由」があると認められ、保存時に満たすべき要件に従って保存できる環境が整うまでは、そうした保存時に満たすべき要件が不要となります。
  • ただし、システム等や社内のワークフローの整備が整っており、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存時に満たすべき要件に従って保存できるにもかかわらず、資金繰りや人手不足等の理由がなく、そうした要件に従って電磁的記録を保存していない場合には、この猶予措置の適用は受けられないことになります(取扱通達7-12)。

要するに、電子取引をデータで保存する

ことが物理的に無理!!

という場合があればOKになっています。

 

この要件は、税務調査のときに

確認される可能性があるため

 

猶予措置の適用を受ける場合には

事実を確定しておく必要があります。

 

 

ダウンロードの求めに応じるとは?

さて、要件の2つ目に「ダウンロードの求め」

に応じることがあります。

 

意味は

  • ダウンロードの求めとは、電磁的記録の提示・提出の要求を言います。
    この場合においては、その電磁的記録を保存した記憶媒体の提示・提出に応じることができるようにしておくことまでは含まれていませんが、その記憶媒体についても、質問検査権に基づく確認の対象となる場合があります。
  • 提示・提出のデータ形式は、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要があることとされています。

つまり、電子取引のデータ保存上での

改ざん防止と検索機能の要件は

不要になるわけですが

 

データが原本である以上

データの保存はしておく必要があると

考えられます。

 

また、税務調査ではデータの書面での

提示・提出を求められた場合には

 

データを紙に出力することになるため

こちらの準備は必要です。

 

すなわち、ディスプレイやプリンターなどの

見読可能装置の備付は不要とされて

いないので、これらの機器は調査場所に

備付ておく必要があります。

 

一般的には事業所で調査をうける

ことになるため、機器が備わっている

と考えられます。

 

 

 

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書かれています。法令に改正があった場合には、現在の

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