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【公正取引委員会公表】インボイス制度への対応に関するQ&Aの独禁法上のポイント解説


インボイス制度絵の対応に関するQ&Aとは?

公正取引委員会は2022年1月19日に

免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A

を財務省、公正取引委員会

経済産業省、中小企業庁

国土交通省の連名で公表しました。

 

内容は全部で7問の一問一答形式で

実務的な内容となっています。

 

今回は、Q7の独禁法上のなどの

問題についてを確認します。

 

 

インボイス制度後の独占禁止法などの問題とは?

想定質問としては

「仕入先である免税事業者との取引について、インボイス制度の実施を契機として取引条件を見直すことを検討していますが、独占禁止法などの上では
どのような行為が問題となりますか?」

 

結論としては

「見直しに当たっては、「優越的地位の
卵黄」に該当する行為を行わないように
注意が必要」ということになっています。

 

取り上げている取引類型は

①取引価格の引下げ
②商品・役務の成果物の受取拒否、返品
③協賛金等の負担の要請等
④購入・利用強制
⑤取引の停止

 

実務的に①と⑤が多くなると

想定しますので、①と⑤について

確認を行います。

 

 

 

取引価格の引下げと取引の停止

取引価格の引下げにで

独占禁止法上問題とならない

取引金額の交渉とは

 

取引上優越した地位にある事業者(買手)が、インボイス制度の実施後の免税事業者との取引において、仕入税額控除ができないことを理由に、免税事業者に対して取引価格の引下げを要請し、取引価格の再交渉において、仕入税額控除が制限される分(注2)について、免税事業者の仕入れや諸経費の支払いに係る消費税の負担をも考慮した上で、双方納得の上で取引価格を設定すれば、結果的に取引価格が引き下げられたとしても、独占禁止法上問題となるものではありません。

 

問題となる交渉

しかし、再交渉が形式的なものにすぎず、仕入側の事業者(買手)の都合のみで著しく低い価格を設定し、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格を設定した場合であって、免税事業者が今後の取引に与える影響等を懸念してそれを受け入れざるを得ない場合には、優越的地位の濫用として、独占禁止法上問題となり得ます。
また、取引上優越した地位にある事業者(買手)からの要請に応じて仕入先が免税事業者から課税事業者となった場合であって、その際、仕入先が納税義務を負うこととなる消費税分を勘案した取引価格の交渉が形式的なものにすぎず、著しく低い取引価格を設定した場合についても同様です。

 

取引の停止で問題となる行為

事業者がどの事業者と取引するかは基本的に自由ですが、例えば、取引上の地位が相手方に優越している事業者(買手)が、インボイス制度の実施を契機として、免税事業者である仕入先に対して、一方的に、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格など著しく低い取引価格を設定し、不当に不利益を与えることとなる場合であって、これに応じない相手方との取引を停止した場合には、独占禁止法上問題となるおそれがあります。

 

 

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